一期は夢よ、ただ狂へ

芸術系に通う限界女子大生の日記。うつ病を引きずりながら復学。

快適な生き地獄について

抗うつ薬の服用は君に任せるよ」

 

医師にそう言われたのがつい先日のこと。試しに服用の頻度を減らしてみたところ、一日中ボーっとしていた頭が長年の眠りから目覚めたかのようにクリアになっていく。原因から完全に目を逸らして生活しているので回復するのは当たり前だが物理的にその感触を得られたことがとても嬉しかった。

 

そんな感じで比較的健康体でいられる時間が確保できているので、映画や舞台に足を運ぶこともしばしば。休学前は時間がないから…と距離を置いてきた創作物たち。本当は大好きだけどいろんな言い訳をつけて行かなかった劇場。久々の、幕が上がる前の高揚感に心をときめかせた。とにかく多くの人が舞台上を駆け回る。誰もが愛とは、人生とは、そんな壮大なテーマと真剣に向き合っていてかっこいいと思った。そんな馬鹿な、と笑いものにされそうな台詞を得意げに観客席に放つ演者の格好良さは実際に劇場へ行かないと経験できない、改めてそう感じた。浮ついた気持ちのまま、舞台で流れていた曲を口ずさみながら山手線に乗る。私はこれ以上幸せなことはないと思う。

 

秋頃からアニメも沢山見だした。時々自分に言われてるんじゃないか、と思わせるような台詞があってドキッとするけど、アニメを通して客観的に自己解析できるのはとても良いと思った。今一番好きなのは『風が強く吹いている』。OPの箱根駅伝の景色を見るだけで胸が熱くなる。指導者兼選手というハイジさんの「もっと走らせれば良かったんだろうか」という自問に対してカケルくんが「俺は自分の意思で走りますから」と、その状況で一番安心する言葉をハイジさんに投げかけるシーンに寛政大チームの過去たるチームワークと今まで積み重ねてきたものの誇りを感じた。高校であらゆるものに縛られながら走ってきたカケルと私自身をつい重ねてしまったり、なかなか感情移入しやすいアニメだ。早いうちに原作も読みたい。

 

私はあと一ヶ月もしないうちに成人を迎える。歳をとったからといって急に大人になるわけでもないし、休学して辛い思いをしたにも関わらずまた原因となる場所に戻る自分の頑固さには相変わらず呆れてしまう。気分転換に覗いたSNSで私の作品を盗用した挙句「これは自作だ」とほざく人間がいたのだ。これに短気な私はカッと怒りを顕にしてしまった。あんな奴に負けてたまるか、と。こんな調子だから成人しても心はガキのまんまなんだろうなぁ。でもそういう競争心が消えてしまったら私の生きる意味なんてどこにもないんだとも思う。メンタルがおかしくなろうが何だろうが、結局私は負のエネルギーでしか働けない人間だということだ。

 

折角調子がいいので今月の目標は

・色々な人に字を書く動機やその方法について調べる

・少しでも体力をつける

・収入源を得る

の3つにした。必ず全て達成しなければ、というわけではない。自分の体調と向き合いながら気長にやっていこうと思う。

 

そういえば、私は自分が聴覚過敏であることをつい最近知った。自身を知れたことの喜びは大きい。今はデジタル耳栓というものが売っているらしく、これを使うことで日常の音に関するストレスを軽減できるそうだ。雑音に紛れて主音声が聞き取れない私にとって聴覚過敏であること、そして聴覚過敏の対処法があることはとても大きかった。考えることを放棄してただただ死にたいと嘆くより、少しずつ自分を知って対策し、快適な生き地獄を目指すのが人生の目標だ。