一期は夢よ、ただ狂へ

芸術系に通う限界女子大生の日記。うつ病を引きずりながら復学。

彼の晩年について

こんばんは。巡礼ぶりの更新です。

 

調べたことを纏めるだけのライターの仕事が全く捗らず、結局ここに戻ってきてしまいました。既に答えの決まっていることを何千と書くのが面倒で面倒で…。まあこれって私が仕事をしたくない言い訳に過ぎないんだけど…一文結論を書けば解決するようなテーマばかりでうんざりしている。多分この仕事向いてない。

 

ここ最近の私はうつ状態がかなり改善して、映画を最後まで一気に見るのはまだちょっとしんどいなあと感じるけど、休憩を挟みつつの読書や1本22分のアニメを鑑賞できるまでには回復しました。調子のいい日が増えてきたので時々都内まで散歩に出かけることもある。でも翌日の怠さが尋常じゃない。夕方まで身体が動かない。今が正にそれ。

 

布団から起き上がることすら億劫で、今日はひたすらTwitterを眺めていた。鍵付きの完全ROM専のアカウントを覗いたら情報収集のためにフォローしているスケオタの皆さんが何やら盛り上がっていた。羽生くんの新プログラムがお披露目されたらしい。

 

 

今年の彼のテーマは原点回帰、といったほうがわかりやすいだろうか。羽生くんの大好きな選手たちへのリスペクトと、その選手たちの真似をしていた頃のように、初心に返って純粋にスケートを楽しみたいという気持ちを込めての選曲だそうだ。

 

私が初めて羽生くんのスケーティングに目が釘付けになったのは『ロミオとジュリエット』だったと記憶している。

 

レオナルド・ディカプリオ出演の『ロミオ+ジュリエット』からの選曲で、古典の物語構成を維持しながらも時代背景を現代にそのまま持ってきた、斬新な作品であったように記憶している。私の大好きな『ムーランルージュ』と同じバズ・ラーマン監督の手がけた作品なのでここで思いっきり作品の良さを叫びたいところではあるが今回も割愛させてもらう。バズ・ラーマンの映画はいいぞ。

 

羽生くんのロミジュリに話を戻そう。

臨場感溢れる出だしから徐々にしっとりとした曲調に変わり、途中転倒してしまうものの、その悔しさをバネにしたかのように畳み掛けるジャンプの数々に驚かされる。少しずつ曲に勢いがつき、そして彼が叫んだ瞬間から会場内のボルテージは最高潮に達する。

 

私は初めてこのプログラムを見た時、鳥肌と涙が止まらなかった。フィギュアスケートとはこんなにも美しく、炎の如く燃え盛るアスリートのパッションをぶつけることの出来る競技であるのかと。ジャンプやスピンの見分け方などこれっぽっちも分からない。けれどあの時、心の底から湧き上がってくる何かを感じた。魂が揺さぶられるとはこういうことを指すんだ、とその瞬間思い知らされた。その場に観客として居たわけでもなく、リアルタイムでテレビに張り付いてわけでもない。動画サイトを漁っている時に偶然見つけた映像にこんなにも心惹かれるなんて。今見ても感動する。

 

その後も崩れることなく、シーズン毎に素晴らしい作品を遺していく羽生結弦の姿はまるで文人の書作品を見ているような心地がした。

 

記憶違いがあってはいけない、と動画を見返しながらこの記事を執筆しているのだけど、当時の羽生くんの合計点が251.06。ルール変更前の最後の試合の総合得点と比べるとこの数年でこんなに成長したのかと驚くばかり。さらに今季のプログラムと比較することでハッキリとわかるひとつひとつの技術の磨かれ方には思わずため息が零れる。

 

引退という二文字が見え隠れする今季のプロは歴代のスケーターへのリスペクトからできたものだと言伝に聞いてはいたし、「彼もそんな時期なのかあ…」と新参ながらしみじみとしていたのは私だけではないはず。双方のプログラムを滑り終え、無事に優勝を勝ち取った彼のインタビューをここでご覧頂きたい。

 

www.hochi.co.jp

 今もう勝ちたいしかないんで。本当に悔しい気持ちがいっぱいなので。それが一番自分らしいのかもしれないですけれども。本当に、自分が頑張ったって言えるぐらい練習してきたいと思っています。

 

流石としか言いようがない。五輪で連覇を達成したにも関わらず、今季もアクセル全開で、全力で勝ちを掻っ攫いに行くらしい。羽生結弦が勝ちにいかないわけがない、そりゃそうか…(納得)

 

 試合に出場したことで彼の勝ちへのこだわり、徹底した技術に裏付けられた表現力を魅せるための鍛錬に火が着いたのだと思う。今季のGPFが楽しみだ。

 

GPFの舞台で彼のスケートがどのような変化を魅せるのか、そういう点も踏まえたうえで見れたらいいな。私も負けてられない。